異界入り
管理人はある一定のリズムを保ちながら唐突な旅に出ます。昔は旅芸人と呼ばれた時代もあり、とにかくゲリラ的になんの意味もない場所へ行っては無為な時間を過ごしたなぁと風を切りながらひどく落ち込むのであります。
この日も何か特別なことをしようだとか、何か焦燥感に駆られていただとか、そんなご立派で社会的な概念は通用しないことだけわかってもらえたなら、花丸満点を賜った小学五年生の如くこの人間の文脈というものを理解できたと自負してよろしい。妾がゆるそう。
まぁ結局「かんなぎ」読んだんですよね。ナギ様可愛すぎて御神木を切り倒したくなってきた息も絶え絶えな起き抜け、唐突に飛ばされてしまいました。異界入り。
気がつくと廃屋の傍に立っていて目の前には若干使えそうなとこが妙にリアルな(ゲームな)アイテムが山積している。それをまじまじと見てはちょっとめんどなところへ転移してしまった、こりゃバッドトリップだと息をひそめる。
元が観葉植物だったのだろう、日本の植生に似つかわしくない存在が1本2本。ドラセナとかパキラとか(どうぶつの森やってたらこの辺覚えてしまうと思うん)って喫茶店や不動産(これ重要!)のオフィスに置いてあって、きっと外来の植物なんだろうけどどうしても「東洋」「西洋」「アジア」「アフリカ」のどれでもない「日本の60年代以降の喫茶店・オフィスに自生する熱帯原産植物」として見てしまう。日本のオフィスというバイオームに伸びたるドラセナ、天高く天高くしまいに天を衝いてしまえ。
何か探したいわけでもないけどまずは歩く、ここは別に山奥とかではない。けれどすごく涼しい。避暑には成功したようです。秘書といえば、私は出来るだけエアコンに頼らないように頑張っています、訂正、「家の光熱費のかさむ」エアコンに頼らないように心がけています。
ボスエリア。巨大で柔軟で、10本の右足から6つの目で射殺さんとする化物。牛頭の犬を連れていたので手なづけて逆に飼い主を食わせてやった。
かいだん。
廃神社とかではないと思う。けど、今は亡き神々に愛された土地の成れの果てみたいなイメージを抱いて入域。私は夏の昼下がりのギラギラした太陽ほど寂しさを感じるものもないと思ってて、なんというか、一片の曇りもない晴れというのは、その下で愛されていて受けるエネルギーが大きすぎるし、陰がないせいで心休まる瞬間がないんですよね。天気の子の占い師によれば水をばかばか喰らう私は龍神さまの眷属だそうで、日光とは根本的に相入れないのかもしれない。
龍神さまはやっぱり枯れ果ててしまったのか。
賽銭を遠慮する神などおるのか?それは信仰の証ではないか。とナギ様が言ってくれたら嬉しいなっと。こんな時は博麗の巫女の方がしゃしゃるのかな。
コケ灯篭。コケといえば、先日誕生日を迎えたんですが、歳をとる瞬間読んでたのが石黒正数『ネムルバカ』でした。鯨井先輩のバンド、ピートモスって完全に何かしらヤバい蛾の名前から取ってると思ってたけど、実はモスはコケの方だったみたいで。ガーデニングやテラリウムなんかに使う用のコケとかを粉砕して含有した土みたいなもんらしいです。
こういう神社の裏側に入ってかくれんぼしたりする時のぬるま湯みたいな背徳感、最高だったと思いませんこと。神社で遊んだ経験が人生の原風景としてある人ってどの程度の田舎民なんだろうか。いや都会民も神社にはいくし神社で遊んでるのか...?でも綺麗な神社は神社と呼びたくないし。
丸みがあって口とか目があるもの見ると萌え萌えキュンするけどこれ本能から来てるのか後天的に獲得した性質なのか疑問に思ったり。管理人onちゃん大好きでカービィとかもすこっている。でもあのへんは蹴ったおしてもいいかなと思わせてくれるんですけどね。
切り倒して削ろう。
リスポン地点上から。ゲームで見慣れた場所にもう一度行くと言いようのない「いい」感覚に襲われて多幸感が爆発する西壁。
こうやって投げ捨てるのは理解できない、せめて立たせてやろう。
死ぬ時は何かに埋もれたい
地面すれすれまで伸びたフサフサ。フサフサの名前が知りたいなと思いながら帰路につく。経験値はあんまだったけど懐かしい場所だった気がしてさようならでした。